今の相場はCOVID-19の感染状況が発生点となり変化しています。
投資を行っていくにあたっての見通しは、COVID-19の感染状況を読み解いていくことによって見えてくるはずです。
これまでの政策や相場の前提はワクチンの開発と摂取、それによる免疫獲得が前提になってきました。
今は1月31日ですが、日本では2月下旬からワクチンの摂取が始まる予定になっているので今がまさに変換点と言えます。
今の状況を整理するためにこの記事をまとめましたのでご確認ください。
変異種の感染力と致死率は高い?
情報BOX:英の変異種、死亡率上昇データが示す新たなリスク | ロイター
英国の新型呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ(NERVTAG)の報告によると、英国で感染が広がっている変異種は感染スピードが30〜70%早く、致死率が30〜40%高いとされています。
致死率が30〜40%高いというのは、1000人感染した場合に、既存のCOVID-19は10人が死亡していたとしたら、変異種では13人〜14人になるということを指すようです。
東京の女児が変異種感染 渡航歴なし、市中感染か―厚労省:時事ドットコム
変異種、初のクラスター 埼玉・東京の5人感染: 日本経済新聞
埼玉で初の変異種感染者…渡航歴ない男女3人、感染判明男性の職場関係者 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン
そしてこの英国型の変異種は日本でも感染が確認されており、今後の動向に注目が集まっています。
日本はまだワクチン摂取が始まっておらず、この変異種の感染が拡大していってしまうと、今までの既存型のウイルスよりも感染力も致死率も高いので、今まで以上の感染爆発が怒ることが想定されます。
そもそも日本人がこれから摂取する予定のワクチンはこの変異種にも効果があるのでしょうか?
変異種へのワクチンの効果
ワクチン効果、変異種で疑問 南ア型、米製薬が「有効性低下」(写真=ロイター) :日本経済新聞
この変異種へのワクチン効果は懐疑的な意見もありますが、今のところの報道では詳細は不明ですがファイザー社やモデルナ社のワクチンが一定の効果があったと報告されています。
ただし、ワクチンが効果を示すには60〜70%以上の人がワクチン摂取をし免疫を得て日本人として集団免疫を獲得する必要があると言われています。
つまり、ワクチンは効果はあるというのは間違いなさそうですが、感染を抑え込むには多くの人がワクチンを摂取する必要があります。
実はこれは簡単なことではなさそうで、世論的に受けない・様子見するという意見が多くあります。
新型コロナ、ワクチン接種の希望は6割…大阪府民調査 | リセマム
女子高生60%超が「コロナワクチン受けたくない」? 物議の記事を「不適切と判断」...配信元のオリコンが削除(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース
国民のマインドを政府がうまくコントロールできるか否かが2021年以降の感染拡大を左右することになりそうです。
政府の対応が後手後手に回っているという見方が大多数な中、これは可能でしょうか。
僕は個人的には悲観的に見ています。
新型コロナワクチン接種に向けた国・自治体の準備状況 | 首相官邸ホームページ
日本のワクチン摂取スピードは遅い
国外でのワクチン摂取開始やワクチン外交などが報道されている中、日本ではまだワクチン摂取は始まっていません。
日本のスケジュールとしては2月中の承認予定で、まずは医療従事者から始まり、ハイリスクの人に続き、一般人が摂取できるのは6月以降という見方が強く、諸外国に比べて早いとは言えません。
もちろん通常なら5〜10年はかかると言われているワクチンですので、2月承認予定の日本も普通に考えたら早い対応だと言えます。
しかし諸外国と比べて遅れている背景にあるのは、日本の当局は有効性以上に安全性を重視しているという背景があるようです。
日本のコロナワクチン接種はなぜ遅いのか? | nippon.com
11月までに7割の国民が摂取しないと感染拡大が再燃するとの懸念もあります。
しかし、超低温冷凍庫などワクチンの管理の問題や摂取場所の確保、働いている人や家事で忙しい人が速やかに摂取を完了するでしょうか。
後手後手の政府が摂取を速やかに完了させる大号令を出せるでしょうか。
今までの政府対応を材料に判断するとなると、期待はしたいですが少し厳しいように映ります。
コロナワクチン接種は滞りなく進むのか…浮かぶ「ある懸念」(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
ワクチン摂取以外の方が実は重要?
ワクチンが感染拡大の押さえ込みに重要なのは確かだと思いますが、それ以上に重要な対策があります。
それは人と人との接触を減らすことです。
JPモルガンのデータによると、実行再生産数は変異種の出現によって1.5倍に増加した。一方で多くの人にとってよりどころになっている「ワクチン摂取」や「免疫を獲得」してもを0.1、0.4の影響度しかありません。
それ以上に有効なのは「接触の減少」となっており、変異種の感染拡大が継続する間は活動の抑制が必須であることが言えるでしょう。
さらに変異種の出現は感染者数が増えれば増えるほど機会は増加するので、更にいくつもの変異種が生まれていき、免疫もワクチンも変異種とのいたちごっこが終わらなくなります。
ワクチンが出れば世界は明るくなると希望を持っていた人は多いかもしれないですが、マスク着用義務、移動の抑制、リモートワーク、黙食、会食制限はしばらくは続くと考えた方が良さそうです。
そしてこのような活動制限が継続するとなると、人と人との接触が発生する業種にとってはまだまだ厳しい状況は続くであろうし、流石に生きていけない人が続出していくかもしれません。
少なくとも今年、ないしは5〜10年ほどは経済にとっては厳しい状況は続くでしょうし、リモートワークなどの新しい働き方や密にならないプライベートの過ごし方が継続していくことになると思います。
もちろん経済の冷え込みに対して行政や金融の対策は実施されていくでしょうから、それを前提とした投資関連の動きも継続していくように思います。
まとめ
皆が既に気づいていることですが「ワクチン摂取でThe End」とはいかなさそうです。
皆を苦しめているコロナはしばらくは共存しないといけない存在になり、これを前提としたライフプラン、投資設計が必要そうですね。
そしてよく言われている、資産運用をしない人は底辺に落ちて行ってしまう世界が本当に訪れるかもしれません。